複数の金融機関から借り入れていた借金を、一つの金融機関にまとめてしまうのが「おまとめローン」です。金融機関の代表的な商品のひとつとして、最近はよく耳にする言葉ですね。このおまとめローンは、場合によっては借金の総額を減らすことができたり、減らせなくても借金の返済期間を延ばしたりすることができるので、広く利用されています。

この商品が生まれた背景には、バブルの崩壊があります。1990年代から長引いたバブル崩壊の影響による不景気の中で、中小企業はもちろん、大手企業の倒産も相次ぎました。倒産しないまでも、事業を維持していくためには融資が必要でしたが、当時は、いわゆる銀行の貸し渋りという社会問題があり、なかなか銀行はお金を貸してくれませんでした。そのため経営者たちは、それまで取引のあった銀行とは別に、他の金融機関からもお金を借りて事業を維持せざるを得なくなりました。それでも深刻化する不況の中では返済が滞り、やがて多重債務者という言葉が一般に認知されるほどになりました。

その後、第二次橋本龍太郎内閣のときに、銀行への規制緩和政策が打ち出されました。これにより銀行は身動きが軽くなり、あらゆる金融商品を開発し競争は激化していきました。「おまとめローン」はこの競争から生まれた産物なのです。

おまとめローンを利用する代表的なメリットは、それまでよりも返済の総額が減る点です。他にも、返済期間が延長されて月々の返済額が減るなど、いくつかのメリットがあります。

返済総額が減る仕組みは簡単です。

例えば、現在、2つの金融機関にそれぞれ金利15%と金利5%、元金同額の借金があるとします。金利を平均すると10%です。ここで、これら借金の全額を金利8%の借金にまとめることができれば、2%分は返済総額が減ることになります。審査に通りさえすれば、おまとめローンのほうが金利が低いのが一般的です。特に大口での借金の場合は、この2%が大きいのです。この2%の差額に救われる中小企業も多いでしょう。 

ところで、おまとめローンの金利ですが、一般には銀行のほうが消費者金融系よりも低い傾向にあります。ただし、そういった傾向があるだけであり、場合によっては消費者金融のほうが低い金利になることもあるので、事前にしっかりと調べてから利用されたいところです。特に小口のおまとめローンの場合は、銀行よりも消費者金融のほうが金利が低い場合もあり、また審査も早くて審査基準も緩いなど、銀行より有利なケースも見られます。消費者金融=サラ金というイメージで避けるのではなく、自分の返済の場合はどちらが有利に働くかをしっかりと把握することが大切です。

なお、おまとめローンも、結局は借金です。信用審査に通らなければ利用できません。ブラックリストに載っている人や信用に傷のある人などは審査に落ちる可能性が高くなります。

便利なおまとめローンですが、まずは自分の現在の借金の借入先、残額、返済状況などを正確に把握したうえで検討しましょう。

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